ハーレーのハンドル交換① 選ぶ前に整理したい「基本の考え方」
ハーレーのハンドル交換は、見た目も乗り味もガラッと変えられる人気のカスタムですね。
エイプバーにすれば迫力が出ますし、Tバーやライザーを組み合わせればクラブスタイルらしい雰囲気を作れます。低めのドラッグバーやナローなハンドルなら、車両全体をキリッと引き締めた印象にできます。
ただし・・・「形が好きだからこれにする!」とハンドル本体だけで選んでしまうと、取り付けのときに困るといったケースが多々あります。
この記事(全3編)ではハンドル交換を検討するときに、購入前に整理しておきたいポイントをおさらいしていきます。
第1編の今回はまず「選ぶ前の基本の考え方」から。高さ・幅・プルバックなどのサイズの読み方と、ライザーとセットで考える理由について書いてみます。
まず決めたいのは乗車姿勢
ハンドル選びでは、最初に「どういう姿勢で乗りたいか?」を考えるところからスタートするのがよいと思います。これがすべての起点になります。
腕を高く構えるスタイルにしたいのか、少し前傾気味にしたいのか、上体を起こしてゆったりと乗りたいのか・・・それだけで選ぶハンドルはかなり変わってきます。
また同じ高さのハンドルでも、幅や手前への引き具合で体感はけっこう変わります。肩が開きすぎる、手首の角度が合わない、なんか遠い、近すぎる・・・といった違いがでることもあるのでチラッと頭の片隅に置いておいてください。


長距離ツーリング派 vs 街乗り重視派
乗り方のスタイルによっても、選ぶポイントが変わってきます。
長距離ツーリングが多い方は、停車中の見た目だけでなく走っているときに肩・腕・手首・腰への負担が出にくいかを考えたいところです。見た目がかっこよくても、100km走ったら肩がパンパン・・・となってしまうのは悲しいですからね。
街乗り中心で見た目の変化を重視する方でも、ハンドルを左右に切ったときの操作性や低速での扱いやすさはさらっとでもよいので確認しておきましょう。停車時のかっこよさと実際の乗りやすさのバランスをどこに置くか、というところです。
ハンドルのサイズの読み方
ハンドルの商品説明には、高さ・幅・プルバック・センター幅・クランプ径などの寸法が記載されていることがあります。それぞれどこのことを指しているのかをざっくりと把握しておきましょう。

高さ(ライズ)
ライズはハンドルの高さのことです。ハンドル交換で印象が大きく変わる部分ですね。
高いハンドルは迫力が出やすく、腕を上げたスタイルを作れます。ただし高くなるほどケーブルやホース・配線の長さが足りなくなる可能性も高くなります。(ケーブル・配線まわりの確認については第2編で詳しく書きます)
また腕の位置が上がることで肩や手首への負担感が変わりますので、見た目の好みだけでなく普段の走行距離や自分の体格も含めて考えてみてください。
ぶっちゃけ数値はあくまで参考程度に
商品説明に記載されているサイズは参考程度に見ておくのがよいと思います。きちきちに正確かというとそうでもないケースがありますし、実際に車両に取り付けた状態の角度によっても印象は変わります。
特にバガーエイプハンドルのライズのはかり方はすこし注意が必要です。床に置いた状態でそのまま計測すると正確な数値が出ません。ライズのはかり方については別記事で詳しく書いていますので、バガーエイプを検討中の方は参考にしてみてください。
幅(ワイズ)
幅が広いハンドルは、車体をゆったり構える印象になります。取り回しで力を入れやすいメリットもありますが、すり抜けや保管場所、車幅感覚には注意が必要ですね。
幅が狭いハンドルは見た目が引き締まりやすくなります。一方で車体を抑える感覚や低速時の操作感が変わることがあります。
プルバック
プルバックはグリップ位置がライダー側へどれくらい手前に来るかに関わる寸法です。
同じ高さのハンドルでも、プルバックが大きいと手元が近くなって上体を起こしやすくなります。プルバックが少ないと、少し前へ手を伸ばす姿勢になりやすいです。
身長や腕の長さ、シート位置、ライザーの形状によって合う位置は変わります。シートを交換済みの車両では、純正シート時とハンドルまでの距離が変わっているといったケースもありますので注意してください。
センター幅
センター幅はハンドルの立ち上がり部分の内々の幅のことです。このセンター幅の中にライザーやクランプが収まる部分(クランプ部分)があります。
クランプ径
クランプ径はハンドルバーとライザーを取り付ける部分の太さのことです。次の項目で詳しく書きます。
ライザーとセットで考える理由
ハンドル交換ではハンドル本体だけでなく、ライザーもセットで考えることが大切です。
ライザーはハンドルを固定する土台でありながら、高さや手前への位置を調整する役割もあります。ハンドル本体が同じでも、ライザーの高さやプルバック量が変わるとグリップ位置は大きく変わるんです。
たとえばこんな感じです。
- 低めのハンドル + 高いライザー → 手元は意外と高くなる
- 高めのハンドル + 低いライザー → 想像より控えめな位置に収まる
なのでハンドル単体のスペックだけ見て決めてしまうと「思ったより低かった」「思ったより高かった」となりがちです。ライザーとの組み合わせで最終的な手元位置が決まるというところをしっかりと把握しておきましょう。
クラブスタイルのTバー・ライザーカスタム
クラブスタイルではTバーや高めのライザーを組み合わせるカスタムがよく見られますね。ライザーを高くすることで、ぐっとクラブらしい雰囲気が出ます。
ただしライザーを高くするとメーター・フェアリング・配線・ブレーキホースなどの確認項目もぐっと増えます。またライザー付近にメーターがある車両では、ライザー交換によってメーター移設が必要になるといったケースもあるため、現在のメーター位置も確認しておきましょう。(干渉まわりの詳しい確認については第3編で書きます)
クランプ径の確認
ハンドルバーには取り付け部分の太さ(クランプ径)が主に2種類あります。
| 種類 | 直径 | 主な用途 |
|---|---|---|
| スタンダード径 | 1インチ(25.4mm) | 古くはビンテージハーレーからソフテイル・ダイナ・スポーツスターなど多くのモデルで採用されているサイズ |
| カスタムサイズ径 | 1-1/4インチ(31.8mm) 1-1/2インチ(31.8mm)など |
一部の純正車両で採用されているサイズ または カスタムパーツ、オプションパーツなどで採用されているサイズ |
この2種類はパッと見ではわかりずらいですが、ここのサイズで取り付け可能なライザーやクランプが変わります。間違ったクランプ径のハンドルをチョイスしてしまうと取り付けできないので先に把握しておきましょう。
自分の車両がどちらの径かは、現在付いているハンドルやライザーのクランプ部分を確認するのが手取り早くいちばん確実です。
すこし話がそれますが内径が細いスタンダード径のハンドルの場合、配線の中通しを考えている場合、作業のしやすさも変わってきます。(中通しの詳しい話は第2編で書きます)
まとめ
第1編では選ぶ前の基本の考え方をおさらいしました。
– 乗車姿勢をイメージすることがハンドル選びの起点
– ライズ・幅・プルバックの数値は参考程度に、実物とのズレもある
– ハンドル単体ではなくライザーとの組み合わせで手元位置が決まる
– クランプ径(1インチ or 1-1/4インチなど)は先に確認しておく
第2編ではハンドル交換で一番つまずきやすい「ケーブル・ホース・配線の確認」について深掘りしていきます。スロットル・クラッチ・ブレーキホース・配線の中通しまで、年式・モデルの違いも絡めながら書いていきますので、あわせて参考にしてみてください。
→ 第2編:ケーブル・ホース・配線の確認へ