自慢のバイクで友人と走っても、ソロで走ってもただそれだけで楽しいですよね。
でもそんな時ふと、腕、ひじ、手首、肩などに負担がかかっていることに気が付くことがあります。
一度気になると走ってる間中ずっと気になってきます。そしていろいろ腕を動かしてみたりして微調整するもののやはりしっくりこないので少し不満に感じることがあるのはバイク乗りなら「あるある」ではないでしょうか?
そこでそうだハンドル交換をしよう!などと思いつき、カタログやインターネットなんかでいろんなハンドルの高さや幅の数値をもとにイメージしながら理想のハンドルを検討したりします。
これ正しいと思います。でもちょっとだけそうでもないような気がします。
ハンドルの形状や位置はライディングポジションにとって3割くらいの比率しか担っていないというお話。
今回は快適なポジションとハンドル交換の関係について書いてみたいと思います。
ライディングポジションは常に変化している
私のハーレー経験(約20年)で恐縮ですがこれまでに友人の使用しなくなったハンドルや詳細不明のハンドルを含め2-30本は変えたことがあります。
当時一緒に走ったりする友人が5人位いてみんなハンドル交換はたくさん経験しているので使っていないハンドルは仲間内で共有していました。
でピンときたハンドルがあると試すのですがはじめ良くても少しすると違和感がでたり、反対にイマイチだなと感じても数か月使用するとこれはこれでよいのかな?みたいに感覚が変わったりします。なのでパーフェクトなハンドルは厳密にはいままで経験した事がないです。
私が思うのにバイクにのっているときのライダーのポジションって実はちょくちょく変わっていてガチガチには固まっているわけではないと思うんですね。
走行スピードのレンジ(30km,60km,100kmとか)や道路環境(市街地、山間部、ハイウェー)といった違いがあるときはライディングポジションが変化しています。これは自分でもわかりやすいですね。
でも「アクセルを開けるとき」や「ブレーキをかけるとき」、「コーナーを曲がるとき」はどこかしらの体の部位がわずかでも動いているはずなんですがそれらは無意識なので気づいていなかったります。
バイクに乗るときのポジションは自然体というかガチガチに固まらず、リラックスして体が柔軟に動くのが理想って聞いたことがあると思いますがそれにも通じるかな?と思います。
少し話がずれますが長距離ツーリングで尻が痛いとか腕がだるいとかはある意味自然なことだと思います。
バイクうんぬんに関わらず同じ姿勢をしているとどこかしら不快な部分がでるのは当たり前。
自動車(四輪)を運転しててもそうですよね。たぶん国際A級ライダーでもなるんじゃないかと思います。
そういう時も微妙に尻をずらしたり、腕を伸ばし気味にしたり、足をぶらぶらさせたりして動かしますよね。
乗るたびに知らず知らずポジションを変えている??
で、もっと言えば私たちはプロライダーではないので、毎回毎回すこしずつ違うポジションだったりするのでこれまた厄介ですね。理想のポジションが手に入らないのは実はこれが一番のネックだったりして。
でもバイクに乗るたびにどこかしら姿勢が違うのはそれはバイクとライダーが会話しているとも言えますね。
ライダー 「キミ、どういう風に乗ってほしいの?」
バイク 「:.>/_];#4+</2」
ライダー 「こんな感じ?」
バイク 「*6)&?,<]}5`{」
ライダー 「うーん?わからん!」
もし何千キロ、何万キロと付き合っているうちにバイクとうまく会話できるようになったら、ハンドルやステップ、シートといったポジション問題はおのずと「これです!」って神の声が聞こえてきそうです。
ライディングポジションの基本はハンドル、シート、ステップの三角形
ご存知のようにライディングポジションは使用するハンドル(ライザー含む)、ステップ、シートなどで無限に変化します。
どんなバイクでもライディングポジションはハンドル、シート、ステップの三角形からなる位置関係で決まります。
腕や肩など体のどこかに負担を感じ、ハンドル交換を検討する前にまずはこの三角形を意識してみることをおすすめします。
この三角形の辺の長さや角度がピタッとくるとそれがその人の理想のポジションになりまります。
理想のポジションは言い換えれば理想の三角形です。
この三角形はつまりその人の腕の長さ、足の長さ、座高などと密接に関連しています。
既製品のシャツやパンツも厳密いえばその人にピッタリの事がないのとおんなじ感じで、いくら完成された乗りやすいとされる新車のバイクであってもどんな人にもピッタリかというとやはり違うと思います。
またいくら気に入っているハンドルやシートを取り付けてもこの三角形がうまくはまっていないと不満が残る結果となってしまうんですね。
そして先程説明したように運転中のライダーの姿勢は変化しています。例えば加速する際に多少前かがみになったり、ブレーキをかける際には上体を少し起こしたりします。
なので多少からだの姿勢が変化してもこの三角形の中で無理なく余裕をもって収まることが理想です。
この理想の三角形は結局快適で疲れにくいポジションでもありますし、バイクを一番うまく自在にコントロールできる可能性のあるポジションだったりします。
三角形がおよそ判明するとカスタムの際、ポジションが探しやすい
もし先程の図で示した赤い三角形が自分にとって理想のポジションだったと仮定してみましょう。
そしてハンドルを少しライズの高いものにカスタムしたくなった時はどうすればよいか?
赤い三角形の辺の長さや角度をあまり変えずに青い三角形のように回転させてみます。
するとシートは少し前の方に座るように改善したほうが良いのがわかります。そしてステップも少し前か上にするとよい事がわかります。
できるだけシートやステップを青い位置へ寄せてあげることで快適なライディングポジションを損なうことなく高いハンドルへのカスタムが可能になります。また実際にできなくても理想の位置とのずれがわかっているだけでもよいとおもいます。
※ちなみにこのステップの位置ってフリスコステップって言われている位置ですね。ハンドルのライズを高くするカスタムには理にかなっているステップだと思います。
またハンドルは交換せずにフォアコンにしたい場合はどうなるかなんていうのもイメージできますよ。
ステップが前に移動するのでシートの位置にかなりの無理がかかっているのがとても良くわかると思います。
これ、実はスポーツスターのフォワコンが乗りにくいといわれる最大の原因だったりします。
スポーツスターやダイナのフォアコンってステップがやたらと遠く感じるアレです。みなさんも聞いたことあると思います。
一方ソフテイルモデルの場合はシート部分のフレームが深くえぐられていてシート位置が車体に対して低い位置に設定されていますのでフォワコンでも乗りにくい印象はあまりないのです。
ソフテイルの場合、図でいうとオイルタンク付近の低い位置に座るイメージになるんですね。
これは少し大げさな例になっているかもしれません。
またそもそも人によって赤い理想の三角形が一回りくらい大き目な方もおられると思いますしね。
ただ要は自分の三角形を見つけたら辺の長さや角度をあまり変えずに三角形を回転させることで理想のポジションが探しやすくなり改善するポイントが見えやすくなります。
自分にぴったりの三角形を探してみること、だいたいでよいので知っておく事がハンドルなどのコントロール性に関わるカスタムには大事だと思います。